なまはげ柴灯まつりについて
なまはげ柴灯まつりは毎年2月の第2金、土、日曜日の3日間で行われます。秋田県男鹿市北浦の真山(しんざん)神社で行われ、男鹿の冬を代表する雪まつりとして昭和39年に始まりました。
この祭りは900年以上前から毎年1月3日に真山神社で行われる神事「柴灯祭(さいとうさい)」と、民俗行事「なまはげ」を組み合わせた冬の観光行事です。
なまはげ柴灯まつりは男鹿温泉郷の冬場を盛り上げるために企画されました。北浦湯本にある星辻神社で雪まつりを行ったのが始まりで、菅原慶吉氏(のちの男鹿市長)らが先に立ち、奈良環之助氏(民俗学者)の指導を受けて、真山神社で行われている「柴灯祭(さいとうさい)」を取り入れたとされています。
第1回から第3回までは星辻神社で行われましたが、観光客が増えて会場が手狭となったため舞台は真山神社に移りました。その後半世紀以上も続き、幾多の変遷をへて現在に至っています。
この祭りは、昭和49年に豪雪の影響で真山神社の除雪が追いつかず星辻神社での開催となったことがあります。しかし、中止となったことが一度もないお祭りです。また、当初は催し物として演歌歌手や民謡歌手、男鹿市内の職場や地域対抗綱引き大会も開催されており、現在とは違い地域住民向けの内容となっていました。
みちのく五大雪まつりの一つ
なまはげ柴灯まつりは、青森県八戸市の「八戸えんぶり」、青森県弘前市の「弘前城燈籠まつり」、岩手県雫石町の「いわて雪まつり」、秋田県横手市の「かまくら」と並ぶ北東北の冬を代表する「みちのく五大雪まつり」の一つです。各雪まつりの詳しい情報は以下のリンクからご覧になれます。
まつりの見どころ
真山神社境内に焚き上げられた柴灯火のもとで迫力のあるなまはげの乱舞は、見る人をひきつける魅力があります。他にも「なまはげ」ならではの見どころが多くあります。
「なまはげ行事」の再現が見られる
元来なまはげ行事は大晦日に行われ、地元の人以外は中々見ることが出来ませんでした。
現在では広く観光客の方に知ってもらうために、伝承館でその再現・実演を行っていますが、このなまはげ柴灯まつりでも行われます。
実演でなまはげ2匹は、威嚇しながら家中をうろうろしますが、意外に礼儀正しく座り、家人に深々と礼をして挨拶します。なまはげと家人との問答・やりとりの内容は現代風にアレンジされていて、毎年違う内容で楽しませてくれます。このように、大晦日になるとなまはげが家々を訪れ、訓示を残し帰っていく一連の様子を見ることができます。
近くで動いて声を上げるなまはげは、やはり迫力があります。
なまはげのお面は地区ごとに違う
なまはげのお面は約60地区ですべて異なります。鬼のような面という共通点はありますが、面自体の大きさや角の長さはすべて異なります。また、木製のお面もあれば現代風にプラスチックで作成されたお面もあります。
秋田県男鹿市にはこの多種多様ななまはげがご覧になれる「なまはげ館」があります。年中無休で営業しておりますので観光の際はおすすめのスポットです。
貫禄と迫力「なまはげ下山」
このお祭りのクライマックスはなんといっても、15体のなまはげが列をなして下山する「なまはげ下山」です。松明を振りかざした異形の鬼たちが杉木立の闇の中から現れ、雪山から降りてくるその様子は、幻想的でありながら、その迫力に圧倒されること間違いありません。
ウォー!ウォー!の叫び声とともに観客のもとに降り立ち、境内を練り歩く、柴灯まつりのクライマックスです。あちこちでカメラのフラッシュが光り、その盛り上がりは最高潮に達します。
大人たちが大いに盛り上がる一方、子どもたちが悲鳴を上げる光景は、まさになまはげ行事を彷彿させる瞬間となります。
この後、その年の無病息災、開運招福の効能があるといわれる紫灯火で焼かれた餅(護摩餅)が観客に配られ、なまはげ達と和やかな記念撮影会が始まります。
小さなお子様は抱っこもしてもらえますので、ぜひカメラを忘れずにご持参ください。